バセドウ病体験記vol.04 手の震え

今回のテーマは「手の震え」です。

手の震えは些細な症状なので「気のせいかな」とスルーしやすく、自分も周囲も気が付きにくい症状だと思っています。バセドウ病はいろいろな症状が少しずつ出てくるので、後になって考えてみたらおかしいけれど当時は気が付かなかったということが多いのです。

どうしたら手の震えに気が付くことができるか、という観点も含めて私の体験をお伝えしたいと思います。

震えているのが見てわかる

実際に震えているのが分かります。両手の指を広げて、裏から、表から、観察してみると震えているのが分かりやすいと思います。自分の意志とは無関係なので、止めようと思っても止められません

でも自分の手を観察する機会はあまり無いと思うので、自分の手の震えに気が付いていない場合にはあまり有効な手段ではありません。

タイプミスが増える

私の場合、一番違和感を感じたのはこれでした。パソコンを使う仕事だったので、「いつもと違う」というのを感じやすかったです。

打ちたい文字と実際に打っている文字が全然違いました。指が震えて自分が思っているキーに届いてないのですね。デスクワークでパソコンを日常的に使っている方でしたら、かなりの違和感を感じるので気が付きやすいポイントになります。

文字が書きにくい

普段よく文字を書かれる方にとっては気が付きやすいポイントです。手の震えが強くなってくるとかなりの違和感が出てくると思います。

いつもより書きにくい、いつもより字が汚い、と感じたら注意しましょう。

よくものを落とす

これはバセドウ病で痩せてしまって体力が落ちたり、筋力が低下することも起因していると思います。とにかくよくものを落とします。

食器を落として割ってしまったり、包丁を足の近くに落とすという恐怖体験もしました。足の上に落ちていたら確実に病院でした。

意外と重大な二次被害に繋がりやすいので、普段キッチンに立つ機会の多い方はもちろん、仕事で繊細な指の動きを必要とする方は、注意してください。私はお気に入りの食器も割ってしまい、とても落ち込みました。

ポイントメイクができない

これは女性に限られてしまいますが、ポイントメイクができなくなりました。特にアイラインなど引いている最中に目に入ってしまうと危ないので、手の震えを感じている時は控えた方が良いかもしれません。

また、手の震えで眉剃りがコントロールできず、勢い余って眉をそり落とした時の悲しみは未だに忘れません。女性の皆さん、眉剃りで眉を整えるのは手の震えが治まってからです。

さいごに

私は発症当時に大学4年間続けてきた弓が引けなくなりました。当時は理由もわからず暴発を繰り返し、卒業間近だったので結局そのまま引退になってしまいました。

恐らく手の震えに加え、筋力の低下で体のコントロールができなくなっていたのだと思います。

4年間誰にも負けないくらい練習に参加して、副部長まで務めて、それくらい大好きな弓の世界でした。好きなものをあきらめなければいけないこと、それも病気の辛さです。

お金も、時間も、自由も、好きなことも、離れて行ってしまう悲しさ。バセドウ病に限らず、病気にはそういう悲しさがあると思います。健康な人と比べて、どうして自分だけがと思ってしまうこともあるでしょう。それは経験しなければわからない辛さだとも思います。

病気で辛いときは、辛いことしか見えなくてたくさん泣きました。体調の良い時と悪い時の波が激しくて、自分の心と体とうまく付き合えずに途方に暮れたこともありました。

でも、バセドウ病は適切な治療を行えば良くなる病気です。だから、安心してください。

私も、再開していないだけで今の状態ならきっと弓を引くことができると思っています。病気で離れていくものをたくさんありますが、戻ってくるものもあれば、感謝や強さや新しい出会いなど、病気を通して今までに無かったものを手に入れることもあります。

そして、前向きになれないときは、無理に前向きになろうとせず、我慢せずにたくさん泣いて良いと思います。

「悲しい時は悲しい弓を、嬉しい時は嬉しい弓を引く」

これは恩師の言葉であり、今でも大切にしている言葉です。必ず、この病気は良くなっていくのだと心のどこかで信じていてください。嬉しい弓を引ける日は、必ず来るはずです。

「手の震え」について、いかがでしたでしょうか。
参考になれば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です