バセドウ病体験記vol.09 アイソトープ治療①決断に至る経緯

今回のテーマは「アイソトープ治療①決断に至る経緯」です。

アイソトープ治療については3回にわたってお伝えしますが、今回はその1回目となります。

まずは決断に至る経緯です。

アイソトープ治療とは

そもそもアイソトープ治療とはどのような治療なのでしょうか。伊藤病院のホームページでは下記の通り説明されています。

甲状腺の細胞は、食物中のヨウ素を取り込み、ヨウ素を材料として甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌します。また、放射性ヨウ素も食物中のヨウ素と同じように甲状腺に取り込まれ、甲状腺にとどまり放射線の力によって甲状腺細胞の数を減らします。そのため、甲状腺のはれが縮小し、甲状腺ホルモンの産生や分泌が減ります。
この作用を利用してバセドウ病や甲状腺がんの治療を行っています。
この治療は放射性ヨウ素を使用するため特別な設備が必要であり、実施できる施設は限られています。

出典:アイソトープ 放射性ヨウ素内用療法(伊藤病院HP)

治療の前後でヨウ素制限や眼科の検査がありますが、治療自体は放射性ヨウ素のカプセルを服用するだけというシンプルなものです。

ですが実際は、ヨウ素制限や眼科の検査の方が時間も労力もかかるため大変です。

きっかけ:医師の勧め

きっかけは、医師に勧められたことでした。主治医の不在時に担当してくださった医師が「バセドウ病歴がこんなに長いのにアイソトープ治療を勧められていないのか」と驚いたことがはじまりです。

そこからアイソトープ治療を受けた方が良いと言われ、資料を貰ったり詳しい説明を聞くことになりました。

バセドウ病を発症した2013年以降、このような話は初めてだったので、最初は戸惑いしかありませんでした。

悩み①:放射性ヨウ素を服用する不安

まず一番心配だったのがこれです。恐らく、ほとんどの方はここで悩むのではないでしょうか。原爆や原発事故を経験してきた日本人にとって、放射性ヨウ素を服用するということにはかなりの抵抗があると思います。もちろん、私もそうでした。

どうしても不安が拭えない中で色々と調べてみて、私の中で一番不安を払拭できた根拠はこちらでした。

 バセドウ病に対して放射性ヨウ素を使った初めての治療の試みは、1941年にアメリカの2つのグループで行われました。その後、多くの人が放射性ヨウ素治療(アイソトープ治療)を受けてきましたが、治療量のアイソトープが白血病や甲状腺癌を起こすという証拠はなく、アイソトープ治療は安全と考えられております。

また、この治療には手術で見られる傷痕などの心配がなく、甲状腺の腫れが取れ、美容的にもアイソトープ治療は優れております。現在、アメリカではバセドウ病患者の80-90%がアイソトープ治療を受けています。日本でも、1998年から500メガベクレル(13.5ミリキューリー)までなら専門医療機関の外来で治療ができるようになりました。患者さんにとっては福音です。ただ、病状によっては入院して治療する場合もあります。

出典:バセドウ病のアイソトープ治療について(公益社団法人日本アイソトープ協会)

出典元の公益社団法人日本アイソトープ協会のホームページでは、他にもアイソトープ治療に関する詳しい説明が記載されているのでぜひ一度目を通して頂けると良いと思います。

引用の通り、アメリカではポピュラーな治療法であること、また歴史もそれほど浅くないことから「受けてみようかな」という気持ちに傾きました。

また、アイソトープ治療から約1年後、年に1回の健康診断を受けに行った時のこと。内科検診を担当してくださった女医さんが、なんとアイソトープ経験者でした。あまりたくさんお話はできなかったのですが、年配の方で、アイソトープ治療を受けたのは随分前のような雰囲気でした。女医さんでもアイソトープを選択するのだなと少し安心した事を覚えています。

悩み②:入院と外来

アイソトープ治療は、入院するか外来にするかの二択です。しかし、私の通っている伊藤病院では、基本的に使用する放射線量が多い場合のみ入院という形を取るとのことで、私の場合は外来による治療が決定していました。使用する放射線量が一定値を超える場合は、法律で入院が義務付けられていると医師から説明を受けました。

インターネットで調べた際には小さいお子さんがいるので入院を選択したという方を見かけました。アイソトープ後しばらくは、小さなお子さんや妊婦さんとの接触が禁止されます。病院によっては入院という選択肢を取ることもできると思いますので、該当する方はぜひ医師に相談してみてください。

悩み③:低下症との付き合い

アイソトープ治療後は低下症になる場合が多いのですが、それは治療成功の証ともされています。そのため、アイソトープ治療をするということは甲状腺ホルモン剤(チラーヂン)を一生飲み続ける覚悟をしなければならないということです。

副作用の多いメルカゾールを約6年飲み続けた私にとって、むしろそれはありがたいことのように思えました。

決断理由①:結婚と妊娠出産の希望

当時、私は結婚を間近に控えていました。そして結婚をきっかけに、妊娠出産のことを考えました。

将来的に子供が欲しい、というのが私の希望でした。

そのためアイソトープ治療後1年は妊娠不可(期間については半年~2年など色々な見解があるようです)なので、当時26歳だった私にとってはタイミング的に「治療をするなら今だ」と感じていました

メルカゾールは妊娠初期は服用を控えなければなりませんし、妊娠中にバセドウ病を再発すれば胎児への影響も懸念されます。ですが、チラーヂンなら妊娠中も授乳中も問題なく飲むことができます

決断理由②:再発の恐怖

再発を繰り返す不安定な状態と、再発を重ねるごとに重くなる症状。正直なところ、当時はもう「これ以上の再発には体が耐えられない」と思いました。それくらい心と体もボロボロでした。

もしも妊娠をきっかけにバセドウ病を再発したら、私の体が出産に耐えられるとはとても思えませんでした。

バセドウ病のトリガーはどこに潜んでいるか分かりません。人生のどこかのタイミングでまたいつかバセドウ病になるかもしれない、それは私にとって本当に怖いことでした。そのため、再発の恐怖に怯えなくて良いということは私の人生において非常に重要で、それは人生を変えるための選択肢でもありました。

さいごに

アイソトープ治療を検討されている方は、本当に受けるべきか不安で悩まれると思います。ライフステージ、金銭面、アイソトープ治療を受ける病院の選択、考えたり決めたりすることはたくさんありますが、ぜひ納得の行くまで検討してみてください。未来のことは誰にも分かりません。だからこそ、真剣に悩んで考えて出した結論ならそれはご自身にとっての正解になると思います。そしてアイソトープ治療の決断にあたり、このブログが少しでもお力になれることを願っています。

「アイソトープ治療①決断に至る経緯」について、いかがでしたでしょうか。

参考になれば幸いです。

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