バセドウ病体験記vol.11 アイソトープ治療③治療から1年間の経過

今回のテーマは「アイソトープ治療③治療から1年間の経過」です。

バセドウ病体験記の最後の記事となります。

ですが、それ以降の経過については現在進行形のため、治療から2年目にあたる2020年11月以降に改めて記事にしたいと思っています。

なお、アイソトープ治療を決断するまでの葛藤と、治療が決定してから当日までの日々も綴っています。前回と前々回の記事もぜひご参考ください。

バセドウ病体験記vol.09 アイソトープ治療①決断に至る経緯

バセドウ病体験記vol.10 アイソトープ治療②治療を終えるまで

TRAbの値と薬の量の推移

アイソトープ治療前~約1年後のTRAbの数値と、薬の量について図にしてみました。

TRAbの基準値は2.0未満(IU/L)です。2018年の夏に再発しているためもともと高値で、2019年11月の治療当日では8.7です。メルカゾール服薬禁止期間で再発したため、3月には10.1まで上がってしまいました。そこからはゆるやかに下がり、約1年後の2020年11月には5.9まで下がりましたが基準値には届いていません。

なお、FT3とFT4はチラーヂンで調節しています。メルカゾールとチラーヂンは真逆の作用を持つ薬のように思われますが、一緒に飲むのはよくあることのようです。

メルカゾールが効きすぎてホルモン量が足りなくなると(FT3とFT4が下がりすぎると)、チラーヂンを増やしてホルモン量を増やします。逆に、チラーヂンが効きすぎてホルモン量が増えすぎると(FT3とFT4が上がりすぎると)チラーヂンを減らします。

そんな風にバランスを取りながら、TRAbが基準値になるまで薬を調整していきます。

それでは、治療後の経緯をもう少し詳しくお伝えしていきましょう。

2週間後の体調

インターネットでアイソトープ治療について調べていた時、治療から2週間後に数値が悪化するケースがあるということを見かけました。主治医からは特に何も聞いていなかったため、そのようなケースがあるのか聞いてみたところ「そういうこともあるかもしれないが、人それぞれなので何とも言えない」と濁されました。

結果として、私は2週間後に酷く体調が悪化しました。症状としては下記記事で紹介した「わたしのバセドウ」の症状が短期間で嵐のようにやってきて、嵐のように去っていったという感じです。

バセドウ病体験記vol.00 はじめに

前もって悪化の可能性を知っていなければ、かなり焦って不安になったと思います。きっと主治医としては、不明確なことは患者に伝えられないというスタンスだったのでしょう。

これはきっと2週間後の悪化だなと分かっていたので「バセドウ病の症状がみんなでお別れ言いに来たみたい」と冗談を言いながら過ごしていました。例えるなら、舞台の最後に役者さんが手を繋いで全員出てくる演出のようなもの。動悸さん、抜け毛さん、疲労感さん、その他大勢の皆さん、さようなら!という感じでした。

1年後の体調

インターネットの情報をみていると、アイソトープ治療をすれば徐々に低下症傾向になり、約1年後には安定するという情報が多いように思います。ですが、私の場合は1年経ってもTRAbの数値が下がりきらず、メルカゾール卒業の夢は叶いませんでした。治療後どのくらいの期間で数値が安定するかは人によって違うのです

1年経てば元気になると勝手に信じていたので、これはかなりショックでした。私の場合は、アイソトープ治療にあたりメルカゾール断薬をした際に再発したのが響いたのかもしれません。主治医としても「再発の経緯があるからメルカゾールは慎重に減らしましょう」という治療方針でした。

パニック障害やうつ状態の症状があり心療内科にも通っていましたが、心療内科の先生も「まずはバセドウ病の数値が安定することが一番ですね」と毎回のように仰っていました。心療内科の先生は甲状腺疾患にも詳しく、バセドウ病の血液検査の結果も毎回確認してくださいます。甲状腺疾患が心の病気に深く関わっていることを重視してもらえるのはとてもありがたいことです。

眼科の定期検査

私の通っている伊藤病院では、アイソトープ治療後はオリンピア眼科で定期的に検査を受けることになっていました。わずかな確率ですが、アイソトープ治療によりバセドウ病眼症(甲状腺眼症)が悪化する恐れがあるためです。

眼科でも血液検査を行い、TSAbの値のみ調べました。こちらも基準値には届かず高値でしたが、アイソトープ後は高値になるものなので眼症の自覚症状がなければ問題なしとのことでした。

眼科では血液検査のほかに、視力検査、眼圧検査などの基本的なものから、目の写真をあらゆる角度から撮影して異常がないか調べたりもします。一通り検査が終わると診察です。

私は眼症の方は問題なしだったので、1年後には定期検査の必要はありませんと言われました。眼科を卒業できたのは嬉しかったです。

さいごに

バセドウ病体験記は一度ここで一区切りとなります。全体を通してお伝えしてきたことですが、バセドウ病の症状、経過、治療の効果、これらは全て人によって全く違います。これは、頭では理解していたつもりでしたが、アイソトープ治療を通して私自身が改めて感じた事でした。

今回お伝えしたアイソトープ治療にしても、私の様に治療後何年も数値が安定しない方、1年後には元気になっている方、眼症で苦しんでおられる方など様々です。ですので、アイソトープ治療をしたら必ずこうなる、ということはお伝えできないのです

だから私にできるのは、ひとつのケースとして自分の体験談をお伝えすることだけです

私自身、この体験談を書くきっかけのひとつになったのは「わからない事が多すぎる」という不安でした。調べても体験談が少なく、バセドウ病も、アイソトープ治療も、未知の存在でした。

分からないという不安は時に人を恐怖に突き落とします。私は不安が増幅しやすいタイプなので、体験談の少ないバセドウ病と向き合うことは決して簡単ではありませんでした

そしてそのような病気の体験談をブログとしてアウトプットすることは、現在進行形で闘病中の自分にとって非常に気力の要る作業でした。作業に集中しすぎて疲れてしまってパニック発作を起こすことも日常茶飯事でしたが、妥協せずに最後まで書き切ることができて良かったと思っています。

今まで記事をお読みくださった皆様、感想を寄せてくださった皆様、本当にありがとうございました。ひとりではここまで来ることができなかったと思います。

これからもバセドウ病についての情報はブログやTwitterなどを通して発信していくつもりですので、どうか温かく見守って頂けますと幸いです。

バセドウ病に関する体験談が少しずつ増えていきますように。そして、この体験談が少しでも誰かの役に立てますように。

参考になれば幸いです。

 

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